予防処置(検診)で信頼できる歯科に通いたい

対症療法から予防処置へ

「歯が痛いから歯医者にかかろう」という方もまだ少なくないのではないでしょうか。
すでに症状が出ている方への対症療法は重要ですが、治療で削ったり失ったりしたものを戻せません。
今、全世界的に対症療法から予防処置にシフトしています。むし歯や歯周病になってから治療するのではなく、予防処置でむし歯や歯周病をにならないようにするわけです。
「最近行っていないから歯医者にかかろう」というスタイルが、予防処置(検診)の考え方です。

むし歯・歯周病の原因を根本からなくす

むし歯も歯周病も原因は細菌です。予防処置では細菌をコントロールすることでお口の環境をよくし、むし歯や歯周病を予防します。

将来的に歯を失うのは、年齢のせい?

歯を失う原因

歯を失う原因(2005年8020推進財団調査)

身近なお年寄りは、歯が全部そろっていますか?
歯を失う原因は、第一位が歯周病、第二位がむし歯で、加齢のせいではありません。歯周病もむし歯も原因は細菌です。歯の表面で細菌が繁殖し、やがてむし歯や歯周病になり、さらにそれが悪化して歯を失うことになります。
逆に、お口の環境をよくすれば歯周病もむし歯も防げることが分かっており、歯を失うリスクも減ります。
歯を失う危機感がない方が多いですが、若いうちからむし歯や歯周病にかかっている人ほど、将来的に歯を失う傾向がありますので、早期から予防処置(検診)に取り組むことをおすすめします。

むし歯予防とスウェーデンの取り組み

歯を失う原因

北欧スウェーデンは、むし歯予防の先進国です。1970年代から政府主導でむし歯予防を進め、今では世界で最も歯科疾患の少ない国です。60代の残存歯数は平均で24本、70代の残存歯数は22本です。成人の歯は28本ですから(親知らずをのぞく)スウェーデンでは多くの人が歯を失っていないことがわかります。(2017年SKaPa調べ)

日本でも昭和62年に80代の平均残存歯数が4本だったというデータがあります。その当時と比べると予防処置の概念が進みましたが、寿命も長くなった今、もう少し歯をたくさん残したいものです。

むし歯予防のための歯科医院の選び方

歯を抜くようなむし歯や歯周病も、最初は「小さなむし歯」、「軽い歯周病」です。予防処置では、むし歯や歯周病の原因を根本からなくすことが目的です。
そのためには「オフィスケア」と「ホームケア」が両方ともうまくいかなければいけません。

オフィスケアとは

オフィスケアとは、歯科クリニックへ予防処置に通うことです。通院の間隔は3~6か月に1回が一般的ですが、歯科医師や歯科衛生士に相談してみるとよいでしょう。
例えば、むし歯や歯周病がない人は1年に1~2回、逆にむし歯や歯周病がひどい人は毎月通うこともあります。

クリニックの「考え方」で選ぶ

歯科クリニックによって、考え方は違います。考え方が違えば、予防処置の内容や使用する機材も変わってきます。予防処置で大切なのは、患者さんの将来的な健康を見据えているかどうかということです。将来的な健康を大事にするのであれば、それを真剣に考えてくれる歯科クリニックを選ぶべきでしょう。

クリニックの「滅菌体制」で選ぶ

滅菌とは、処置や治療に使用する機材や環境をクリーンに保つものです。歯科医院にとっては直接利益を生まないものですが、患者さんへの姿勢が表れるといえるでしょう。むし歯も歯周病も原因は細菌なので、滅菌体制が整っていない歯科クリニックはお勧めできません。

クリニックの「ホームケア指導」で選ぶ

これは一度通ってみないとわかりませんが、予防処置は歯科クリニックで行う「オフィスケア」とご自身で毎日行う「ホームケア」が両立して初めてうまくいきます。将来的な健康を真剣に望むのであれば、ホームケアをしっかり指導してくれる歯科クリニックを選びましょう。